福島県立医科大学の井上直和教授は「本研究はマウスで得られた成果ですが、今後ヒトでのSEAL形成の詳細なメカニズムを解明することで、生殖生物学や不妊治療の基礎研究が大きく前進すると考えています」と述べ、今回の知見が人間の生殖医療の発展につながる可能性に言及しています。
受精障害や不妊症の原因解明、新たな治療法・避妊法の開発など、応用への道筋も開けてくるでしょう。
卵子と精子が出会う生命の神秘。
その舞台裏には、私たちの想像を超えたドラマチックな細胞のやりとりが隠されているのです。
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参考文献
卵子は精子を食べて受精を成立させる -食作用に類似する受精様式を発見-
https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=10872
元論文
Noncanonical phagocytosis-like SEAL establishes mammalian fertilization
https://doi.org/10.1016/j.celrep.2025.115463
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部