日本政府は米国と結束して中国の台湾進攻を防ぐという安保政策を掲げている。そのバックボーンは国際秩序を維持するために民主陣営の共通の価値観を守るという大義だ。しかし、トランプ米政権がある日、中国側の主張を突然支持すると言い出すかもしれないのだ。トランプ大統領はウクライナ戦争の停戦問題でプーチン大統領のナラティブを信じ、ロシアを支持し出したようにだ。その時になって慌てても遅すぎる。第2次冷戦時代はもはやイデオロギーの戦いではなく、実利獲得の争いとなってきただけに、どの国が同盟国であり敵国かといった区分けは益々複雑となってきている。
編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2025年3月5日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。