バチカンは23日から25日の3日間、フランシスコ教皇の遺体をサン・ピエトロ大聖堂に安置し、世界の信者たちに教皇に最後の別れをする機会を提供した。メディアによると、3日間で25万人の人々が遺体の前で祈りを捧げたという。バチカン側は大聖堂を閉鎖して26日の葬儀ミサの準備をしなかればならなかったが、多くの人々がまだ列をなしているのを見て、大聖堂の閉鎖時間を延長せざるを得なかったという。
サン・ピエトロ大聖堂まで続く長い列を見ながら、3年前のエリザベス・ラインを思い出した。英国のエリザベス女王の国葬が2022年9月19日午前、ロンドンのウェストミンスター寺院で挙行された。女王は9月8日、滞在中のスコットランド・バルモラル城で死去した。96歳だった。国葬の前日まで、多くの人々が女王に感謝と弔意を表明するためにテムズ川沿いから女王の棺が安置されたウェストミンスターホールまで7キロ余りの長い列を作った。英メディアではエリザベス・ラインと呼ばれ、100万人以上の国民が集まった。列の中にはオーストラリアやカナダなど海外からきた人々の姿もあった。10数時間も外で待機している人々の規律ある姿は海外でも大きく報道され、話題となった。
父ジョージ6世の急死(1952年2月)を受け、当時王女だったエリザベス2世は女王に即位、その後70年間、公務を行ってきた。女王は21歳の誕生日、「自分はどれぐらい生きるか分からないが、国のために最後まで忠誠を尽くしたい」と述べたといわれる。女王はそれを実行したわけだ。英国民はエリザベス女王の国への献身に心が動かされていた。
同じように、フランシスコ教皇が死の直前までその聖職に献身した姿に信者ばかりか、多くの人々が感動したといわれる。ベルリンのアンドレアス・ハンブルガー臨床心理学教授はドイツ民間放送ニュース専門局ntvで、「多くの人々が復活祭での教皇の歩みに心を動かされた」と述べている。