4月14日、ロンドンのフロントラインクラブで「新たなロシアのスパイ工作」と題されたトーク・イベントが開催されました。
パネリストの一人となったソルダトフ氏のコメントも入れて、短く紹介してみましょう。

「新たなロシアのスパイ工作」と題されたイベントの紹介画面(イベントサイトからキャプチャー)
新刊「不法入国者(The Illegals)」
イベントのメインとなったのは、英ガーディアン紙のロシア特派員ショーン・ウオーカー氏による新刊「不法入国者(The Illegals)」です。
諜報員の中で最も秘密裏に活動するのは「不法入国者」と呼ばれる人々で、入念に作り上げられた偽の身分を採用し、しばしば何年にもわたり、二重スパイとして受け入れ先のコミュニティで生活する献身的なプロフェッショナルになります。
ウオーカー氏によると、100年以上前、ソ連のボリシェヴィキ政権は、市民をスパイとして海外に派遣し、外国の貴族、商人、学生を装う訓練を始めたそうです。
潜入工作員を使う諜報機関はソ連・ロシアだけではありません。でも、ソ連の情報機関・秘密警察「KGB」は何年もかけて言語や礼儀作法の訓練を受けさせ、何十年も続く任務のために工作員を海外に送り込んだのです。
第二次大戦(1939-45年)中には、不法入国者はナチスの高官を暗殺するために敵陣の背後に派遣されました
その後、冷戦時代になると、西側諸国に同化させ、スリーパーとして身を潜めるために送り込まれたそうです。中には任務に失敗したり、二重生活の緊張に耐えられなかったりということもありました。
優秀なソ連のスパイの退職先は?
ソルダトフ氏によると、(素晴らしい)「お国のために、海外でスパイ活動をさせるソ連当局」でしたが「本当に優秀なソ連のスパイの場合、退職後はそのまま海外の国に住んでよい」と言われるそうです。本当に素晴らしい国だったら、ソ連に戻るはずで、「言っていることにギャップがある」と常に感じていたようです。