豊島美術館は外だけを眺めて唐櫃港に向かって山を下りていきます。芸術祭の開催期間中だからかもしれませんが、島を訪ねる観光客の半数近くが欧米人。レンタサイクルで坂を上り下りする外国人の姿が多く見られます。道路に書かれている案内も英語表記で、ここは欧米なのか?!と錯覚に陥ります。

人が入れ替わる隙を狙って撮影。

丘から降りてきた道が海にぶつかるT字路も絶景スポットとして世界中に知られています。インスタやTIKTOKの動画を上げようと撮影を試みる人たちで混雑していました。

唐櫃港地区にも芸術作品は点在しています。港のすぐ近くにある複数のバスケットゴールがある「勝者はいない」。いろんな国から人たちがシュートにトライしていて、決まると「ナイスシュート!」と声を掛け合っていました。芸術作品から国際交流が生まれます。

港を過ぎて島の北東端にあるのは「心臓音のアーカイブ」。ここでは世界中で録音された来場者たちの心臓の音を聞くことができます。

心臓音なんてみんな同じでは?と思っていたのですが、実は千差万別。真っ暗な部屋で心臓音のリズムを聞けば母の胎内にいるかのような感覚にもなります。パソコンでデータを探れば知っている人の心臓音も見つかるかもしれません。この建物でも1570円の登録料を支払えば心臓音を録音し、登録することができます。旅の記録に自らが生きた証をここで残すのもいいかもしれません。

家浦港近くの作品、針工房。アート作品の販売もあります。

バスで家浦港まで戻り針工房を訪ねます。かつて針の製造工場だった場所に宇和島で放置されていた船の木型を置き、異質なものの融合と調和を演出します。

瀬戸内の海の絶景の中、芸術作品も楽しめる島、豊島。芸術祭はこの周辺の島でも行われているので複数の島をはしごしながら楽しむのもいいかもしれません。

実は私もこの後直島に行く予定だったのですが、少し想定よりも早く家浦港に戻ることができ、違う島に行く船に乗ることができることになりました。そこはまだ一度も行ったことがなく訪ねてみたいと思っていた場所。予定を変更してそちらの島に行くことにしました。次回はその島で体験したことを書きたいと思います。