豊島には「家浦(いえうら)港」と「唐櫃(からと)港」の2つの港があって、両地区に集落があります。その間をバスが結んでいるのですが、瀬戸内トリエンナーレ期間中はそのバスが頻繁に運転してくれるので便利です。時刻表のうちグレーになっているのが臨時増発のバス。大増発ですね。

両港を結ぶバスに乗って途中の「清水前」で下車します。ここは集落のほか、芸術作品も点在する場所。

ここには日本遺産「唐櫃岡の清水共同用水場」があります。石をひな壇上に積み上げて山からの湧水を上の貯水槽から下の大きな水槽に流し入れています。豊島の石は加工しやすく火に強いことから桂離宮や後楽園などの石灯籠に用いられてきました。石の産出地らしくここでも湧水の貯水槽が石で作られています。

青木野枝/空の粒子

その脇にひとつ、水の波紋のような広がりを見せる芸術作品がありました。

このようなかつて民家だった廃屋の中にも芸術作品は展示されています。

本が溶け、水中で水紋となる様子を描く作品。急須は地元の人の好意で集められたもので、地元の人がアーチストと一体となって地域を盛り上げようとしている姿が窺えます。

清水岡のバス停から歩いて唐櫃港方面に降りていきます。ここは地名の通り丘になっていて、海の向こうの小豆島も眺めることができる絶景スポットです。スカッとした晴れを期待していたんですが、薄曇り。わたしは晴れ男のなので天気を信じていたんですが残念です。

道路が下っていき、海に落ちていくようなこのポイントは豊島の絶景スポットとして知られています。内外の観光客がひっきりなしに道路の中央に出て写真を撮っています。警備員には手に負えないようで、香川県警が来て取り締まっていました。マナーを守って撮影しましょう。

この道路の脇にある道を登っていくと棚田があります。「唐櫃・豊島の棚田」と呼ばれ、豊島美術館を経営する福武財団が町などと協働して一時衰退していた棚田での稲作を再興させこの姿に甦らせました。