スマホやゲームに夢中になって、「あと15分だけ」と就寝時間を遅らせることがあるでしょうか。
たった15分かもしれませんが、その差が「脳機能」に大きな違いをもたらすかもしれません。
特に脳の発達に重要な時期である思春期の若者たちには強い影響を及ぼす可能性があります。
イギリスのケンブリッジ大学(University of Cambridge)の研究チームは、9~14歳までの若者の睡眠習慣と脳機能を調べた結果、平均睡眠時間が15分違うだけでも脳機能に差が生じることを示したのです。
研究の詳細は、2025年4月16日付で『Cell Reports』誌に掲載されました。
目次
- 少しの睡眠不足が少年の脳に何をもたらすのか
- 「たった15分」の睡眠時間の差が、脳機能に違いをもたらしていた
少しの睡眠不足が少年の脳に何をもたらすのか
大人も子どもも、日常的に寝る時間を短くしてしまいがちです。
何かに夢中になっていると、「15分くらい」「30分くらい」と睡眠時間を削ってしまうかもしれません。
寝ようと思えば寝れるのに、日常的に就寝時間が遅れてしまっている人も少なくないはずです。
また思春期には、生物学的なリズムのずれや社会的要因により、睡眠時間が短縮することが知られています。
しかし、このような睡眠習慣の変化や違いが脳の構造や機能にどのように影響するのかは、十分に解明されていませんでした。

そこで今回、研究チームは、9~14歳の3,222人の若者を対象に、睡眠パターンを記録し、脳スキャンや認知機能テストの結果と比較しました。
その結果、若者たちは大きく3つのグループに分類されることが分かりました。
睡眠習慣が悪いグループ(平均睡眠時間は7時間10分)は、参加者の39%を占め、就寝時刻が最も遅いにもかかわらず、起床時刻は最も早い傾向がありました。