これがいわゆる「アンバーグリス」です。
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アンバーグリスは運がよければ便と共に排泄されますが、あまりに大きくなりすぎると腸を破って体外に飛び出します。
いずれにせよ、アンバーグリスを手に入れるには、海に漂っているものか浜辺に打ち上げられたものを見つけるしかないので、よく「海を漂う黄金(floating gold)」と称されます。
アンバーグリスの主な使い道は、高級香水などの香りを持続させるための保留剤です。
アンバーグリスはビャクダンのような甘い香木の香りを持つ一方で、アンブレインという芳香性物質も含んでいます。
これが香りを固定して長持ちさせたり、媚薬効果を生み出す働きをしているのです。
取引後のお金は何に使う?
絶滅危惧種のマッコウクジラの捕鯨は国際条約で禁止されていますが、アンバーグリスは動物の廃棄物とみなされているため、多くの国々で取引が合法となっています。
(アメリカ、オーストラリア、インドでは禁止されている)
カナリア諸島を含むEUでも合法であり、ロドリゲス氏らは現在、今回見つかったアンバーグリスの買い手を探しているとのことです。
ロドリゲス氏自身は「取引で得られた金額は、2021年にラ・パルマ島の火山噴火で被害を受けた住民の支援に使われることを願っている」と話しました。
ラ・パルマ島では2021年9月19日にクンブレ・ビエハ火山が噴火し、約5000人(総人口は約8万5000人)が被害を受け、被害総額は8億ユーロ(約1243億円)にのぼると推計されています。
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参考文献
$500,000 chunk of ‘floating gold’ found in dead whale
https://www.livescience.com/animals/whales/dollar500000-chunk-of-floating-gold-found-in-dead-whale