この側面があることから、平均以上効果は「自己奉仕バイアス(Self-Serving Bias)」の一種であると考えられることもあります。自己奉仕バイアスとは、成功を自分の能力などの内面的要因に原因があり、失敗は環境などの外的要因に原因があると考える傾向のことです。
しかし自分自身の能力は正確に判断したいと思う方もいるでしょう。
自己の客観視が正確にできていないことは、自分のレベルに合った課題を選択するのが困難であったり、無謀な挑戦に時間を費やしてしまう可能性を高めてしまいます。
新しい職を探す、あるいは転職をする際に、一般的に難しい能力を求められる場合、あまり自分自身の能力を過信せず、謙虚に自己評価をすることで、大きな失敗を防ぐことができるかもしれません。
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元論文
The Better-Than-Average Effect Is Observed Because “Average” Is Often Construed as Below-Median Ability.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28690555/
ライター
AK: 大阪府生まれ。大学院では実験心理学を専攻し、錯視の研究をしていました。海外の心理学・脳科学の論文を読むのが好きで、本サイトでは心理学の記事を投稿していきます。
編集者
ナゾロジー 編集部