フリルを展開して威嚇することもありますが、「敵わない」と感じると、くるりと向きを変えて2本足で逃げてしまうのです。

では、なぜ捕食時と逃走時のみ、二足歩行するのでしょうか。

エリマキトカゲが二足歩行する理由

エリマキトカゲは後ろ足が前足よりも長くなっており、これが二足歩行を可能にしています。

とはいえ、骨盤と大腿骨の構造上、大腿骨を脊椎に対して垂直に立てることができず、人間のような直立二足歩行にはなりません。

それゆえエリマキトカゲは、2本足では前傾姿勢で走ることがほとんどです。

それでもバランスを保つため、できるだけ頭を後ろに傾けたり、尾をいくらか持ち上げたりします。

では、なぜエリマキトカゲはあえて二足歩行するのでしょうか。

以前、科学者たちは、「トカゲは二足歩行の方が速く、効率的だ」と考えていました。

しかし、イギリスのケンブリッジ大学(University of Cambridge)の2008年の研究では、その考えが否定されました。

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トカゲの二足歩行は、「加速」を追求した結果だった!? / Credit:Canva

この研究では、オーストラリアに生息する16種類のトカゲを、ランニングマシン上で走らせる実験を行っており、その結果、二足歩行のランナーは、最高速度もスタミナも、四足歩行のランナーを上回ることが無いと分かったのです。