近年ではアメリカ、韓国にキャッチアップされていますが、他の主要先進国よりも高い水準のようです。
ドイツは製造業が盛んな国ですが、水準としてはそこまで高くないようです。
2. 労働者1人あたりの国際比較
最新の2022年の水準について国際比較してみましょう。

図3 労働者1人あたり固定資本減耗 製造業 2022年OECD Data Explorerより
図3がOECD各国の2022年の国際比較です。
日本は27,086ドルで、OECD30か国中8番目の水準となります。
日本は先進国の中でも製造業における固定資産の蓄積が多いという事になります。
3. 対国内総生産比の推移
続いて、各経済活動における国内総生産(Value added, gross)に対する比率でも比較してみましょう。

図4 固定資本減耗 対国内総生産比 製造業OECD Data Explorerより
図4が製造業における固定資本減耗 対国内総生産比の推移です。
他国は概ね15~25%ですが、日本は25%以上と他の主要先進国と比べてかなり高い水準が継続してきたことになります。
近年では韓国が上昇傾向となり、日本と相応する水準となっています。
4. 対国内総生産比の国際比較
最後に、対国内総生産比の国際比較をしてみましょう。

図5 固定資本減耗 対国内総生産比 製造業 2022年OECD Data Explorerより
図5が2022年の固定資本減耗 対国内総生産比の国際比較です。
日本は34.4%で、OECD30か国中1位となっています。
日本の製造業では固定資産への投資が非常に大きく、付加価値に対して固定資産の維持費用が嵩んでいるという見方もできます。
言い方を変えれば、投資が多い割に付加価値を稼げていない産業という事も言えるかもしれません。
5. 製造業の固定資本減耗の特徴
今回は経済活動のうち製造業の固定資本減耗について着目してみました。
製造業は機械・設備や施設などの固定資産への投資が必要不可欠な産業です。