ワシントンでは、G20(主要国財務相・中央銀行総裁会議)が開かれ、「トランプ関税は経済に悪影響をもたらす」との声明をだしました。国内問題を国内で調整できず、対外関係にはけ口を求める。トランプ氏が全世界を相手に混乱を巻き起こしているのは、そのためです。
関税引き上げの影響で景気が減速する一方、インフレが進み、スタグフレーションの進行、それによる資産バブルの崩壊、金融システムの動揺などが予想されます。トランプ氏が就任演説で「2025年1月20日は、米国民にとって解放の日だ」と宣言しました。実態は政治的、経済的、社会的混乱の箱を開いてしまったのでしょうか。
戦後、米国主導で拡大したグローバリゼーションは転換期に来ていると言われます。株価や債券相場の変動を追うチャート屋さんたちの分析ではなく、50年とか100年といった長い期間で歴史を考える時が来ているのでしょう。
編集部より:このブログは「新聞記者OBが書くニュース物語 中村仁のブログ」2025年4月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、中村氏のブログをご覧ください。