それから「過熱による代謝亢進」も関係しているという。

ヘビが体温を下げられずオーバーヒート(過熱)すると、代謝率が上昇して、空腹でもないのにお腹が空いているように錯覚するのです。

そうなるとヘビは目についたものを何でも食べようとするので、獲物と見誤った自分の尻尾に食いつくといいます。

そして「ストレス」も大きな要因の一つです。

狭い水槽での生活、過度の光や騒音、触りすぎ、汚れたスペースなど、ストレス因子が多いとヘビは異常行動を取り始めることが分かっています。

その一つとしてウロボロスのような行為があるのです。

私たちも過度のストレスを受けると、爪を噛んだり髪の毛を抜いたりと自傷行為に走ることがありますが、それと似ているのかもしれません。

ウロボロスを見かけた場合の対処は?

もし飼い主として、ペットのヘビがこの自傷行為をしているのを見かけたら、直ちに命を救うための対処をしなければなりません。

最初に確認すべきは、飼育環境の温度調節がおかしくなっていないかどうかです。

もし過度に暑くなっていたのなら、バスキングライトを消したり、日陰に置いたり、あるいは水を吹きかけたり、水を入れたボウルにヘビを入れるのが有効だといいます。

ちなみにこちらの飼い主は、手の消毒液を鼻に塗るとヘビがスルスルと尻尾を吐き出すことを発見したそうです。

消毒液を鼻に塗ると尻尾を簡単に放すらしい
消毒液を鼻に塗ると尻尾を簡単に放すらしい / Credit: Rob Clark Venitox – Snake eating itself(youtube, 2019)

またウロボロスの行為が定期的に見られるなら、ストレスが要因の可能性が高いため、飼育環境を見直してみましょう。

温度でもストレスでもない場合は、病気や年齢による異常行動が予想されます。

その場合は獣医に診察してもらって、正しい処理を受けるのがベストです。

「ウロボロスが見れたからラッキー」と決して放置しないようにしましょう。