日産・内田誠社長と本田・三部敏宏社長 日産HPより

ふたたび注目されたのが、日産とホンダとの経営統合の協議が白紙となった件です。もともと政府やメインバンクが後押しするかたちで統合の話が進められていたものの、ホンダは最終的に統合を拒否しました。その背景には、日産側の財務状況が深刻であるにもかかわらず、「対等合併」を求め続ける姿勢に対する不信感があったとされています。業績の実態を隠したまま交渉を進めようとしたのではないかという疑念も一部で指摘されています。

さらに、日産の企業体制に対しても厳しい声が上がっています。執行役員が60人以上にのぼり、役割が重複しているポストも多く、組織のスリム化が進んでいないとの指摘があります。社内の意思決定が保身的で、経営責任の所在も曖昧であることから、「この状況で合併を断るとは何様なのか」「役員報酬の返還を求めるべきだ」といった批判も強まっています。