謎を解明するため研究者たちは、オスマウスの頭部に制御装置を取り付け、オスマウスが飼育ケージの特定の場所に鼻先を入れるアプローチをすると、脳回路がONになるような仕掛けを作りました。
するとオスマウスは仕組みを理解すると、わずか数分の間に200回もの頻繁なアプローチを繰り返していたことが判明します。
この結果は、強制的に起こる性欲であっても、オスマウスにとって、それは好ましいことと認識されていることを示します。
研究者たちは人間にも同様の脳回路が存在している可能性が非常に高く、脳回路を活性化させる薬を開発できれば、バイアグラとは次元が異なる性欲剤になると述べています。
バイアグラはペニスの勃起を起こす手助けになりますが、その基礎となる性欲までは発生させてくれないからです。
ただ、性欲の源泉となる脳回路を活性化させる薬があったとしても、飲む前に「相手」が自分の好みの存在であるかどうかを確かめたほうがいいでしょう。

マウスの実験データからは、脳回路の強制活性化によって生じるのは相手を選ばない純粋な性欲であり、無生物相手にも交尾行動を引き起こしているからです。
なお今回の研究で判明した仕組みはメスでは確認できなかったようです。
オスとメスの性欲は脳回路レベルで異なっているのかもしれません。
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参考文献
Stanford Medicine scientists locate key brain circuit containing the seat of male libido
https://med.stanford.edu/news/all-news/2023/08/male-libido-brain.html
元論文
A neural circuit for male sexual behavior and reward
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(23)00798-5?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0092867423007985%3Fshowall%3Dtrue