便利な世の中を一言で表現すると「外付け」なんです。昔のパソコンは本体にアプリもデータも取り込んで基本的に独立独歩でした。ところがクラウドが進み、リンクができ、無線で飛ばすようになると外付け化が進みました。パソコン本体はとても軽微な稼働装置化になるわけです。こうなれば別に20万円のパソコンではなくても39800円のパソコンでもある程度の実用には耐えるわけです。その代わり様々なものを外付けして強化するわけです。

我々の生活も外付け型になってきています。オンラインで注文すれば家具から食材まで全部注文配達してもらえます。英語は翻訳機がなくてもAI翻訳で済みます。将来、自動運転の車が走れば車の運転免許はいるのでしょうかね?要するに全部お任せできるのです。だけど、そうなると上記のパソコンの例じゃないですが、「俺、昔、20万円のパソコンの能力あったのに今は全部お任せだから39800円の価値」ということになりかねないのです。

事実、私は日本語でペンを使って書くことが困難になりました。文章はパソコンで打つ、あるいはスマホに音声入力するからです。ペンはもちろん使いますが、数字しか書いていない気がします。時々自分の名前をペンで書くのですが、へたくそになりました。当地に来た時、カナダ人の字が下手で「お前の字は読めん!」と言って笑ったものですが、今じゃ私が爆笑されるのです。

人間の能力は非常に奥深いものがあります。20万円どころではなく、1億円の価値があるはずです。それがどんどんさび付くのは実に寂しいものであります。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年4月25日の記事より転載させていただきました。