自衛隊によくある、訓練のための訓練になっています。やっていることは魁!男塾とか、巨人の星です。身内にしか通用しない底の浅いヒロイズムに自己陶酔しているだけで、実戦では役に立ちません。

無論睡眠時間を削ったり、肉体的な負荷をかけるような訓練も極限時に実力を発揮するために必要ですが、やっていることはいじめと紙一重です。いじめれば強い兵隊が出来上がると信じている。

恐らく訓練期間中や「シゴキ」に関して医官は同行もアドバイスもしていない。水分制限にしてもどこまではOKでどこから危険かということは本来専門の医官が指導すべきです。部隊の医官充足率が2割台という体たらくですから、そのような医官の活用もできていなかったのではない。

それどころか、衛生要員や救急車も以前は待機させていたのですが、それすらやらなくなっているそうです。

しかも30年前と今では気温も異なっており、熱中症対策も変わっているのに、根性だけで押し通す。しかも幹部からやるなと言われても曹クラスが、伝統ですから大丈夫です、口を出さないでくださいと強弁して不必要なしごきを行う。部下が上官の命令を聞かない段階でそういう連中を排出した「筋脳」製造システムのレンジャー訓練は有害ということです。

各部隊で、てんでにおこなわれており、標準化もされていない。

これは一般部隊でも同じです。これだけ夏場の気温が上がっているのにヒートマネジメントもろくにしていないし、適宜水分補給をさせるシステムもない。だから18式防弾ベストみたいに、17キロも重量があり、体を覆う面積が低い防弾ベストを導入して、プレートキャリアすら導入しなかった。

装甲車両にまともに冷房がつき出したのは16式が途中からで実質的に次期装輪装甲車や、共通戦術装輪車ぐらいからでしょう。

シンガポール以上の気温でパッチを締め切ってNBCシステム使うなんて不可能ですが、それがおかしいと思わない。本来であれば装甲車両、できればトラックにも冷水のタンクをつけるべきです。南ア装甲車は70年代から装甲車に飲料水タンクを装備していましたが、「我が国固有の環境」を鑑みればヒートマネジメントは必要不可欠なはずです。