■東京消防庁は「逮捕の意図ない」

今回話題となったポストの詳細について、Sirabee編集部では17日に東京消防庁に取材を行った。

ポスト投稿の意図をめぐり、広報課の担当者は「当庁として消防業務にご協力を頂いたにもかかわらず、氏名等不明で確認できなかった方に感謝を伝えさせて頂くことが目的です」と、回答。

続けて「当庁では、バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)として救急事案等の消防業務に多大なご協力を頂いた方に感謝状を贈呈させて頂いており、上記のような方を探すため、近年『人を探しています』というタイトルでXより投稿をしております」「また感謝状の贈呈と共に、勇気ある行動をとってくださった方がいるという事実を広く広報させて頂いておりました」と、近年の取り組みについて説明している。

今回の投稿では、いずれの人物の年齢・性別・特徴といった情報は一切開示されていない。にも関わらず、ネット上では「急病人は女性、容態観察を行った人物は男性」という考えが、もはや前提条件として確立している。

これらの詳細について、東京消防庁の担当者は「今回の救急活動の詳細について、個人情報等保護の観点からも、ご提供できる情報はXで投稿している情報のみとなります」と、説明していた。

また、「逮捕を⽬的とした投稿では、というご意見についてですが、これまでも今回の投稿も、そのような意図はございません」とのコメントも得られている。

しばしば「人間関係が希薄化している」と指摘される昨今。果たして、見ず知らずの他人による「人助け」は今後、どのような存在になっていくのだろうか。