ですから、最後までお客様の側に立って努力しなければなりません。前例がなければ、他都道府県での前例を探してくる、法的根拠を明示する。さまざまな方法があります。最後までお客様の依頼を実現させるために尽力するべきです。

それでも、キレたら終わり

なかには、法的な根拠や手続きの不備などの実務的な要件以上に、窓口担当者の態度が悪く、立腹してしまうこともあるでしょう。しかし、相手も人間です。喧嘩腰の相手に気持ちよく対応するはずがありません。ここはひとつ大人の対応をすることが重要です。あいさつ、ねぎらいの言葉などを忘れずに、広い心で接していきましょう。そうすることによって、担当者の感情も変わってくるはずです。

私の場合も、時に役所の担当者と意見が合わないことがあります。なかには明らかに間違っているにもかかわらず、高飛車な態度で指導してくる担当者もいました。私も人間なので頭にきます。しかし、そこは堪え忍んで「こうした細々したことを伺って申し訳ないのですが」「お忙しいところすみません」「丁寧にありがとうございます」と伝えます。戦意のない人には、誰しも警戒を解くものです。そこからひとつひとつ要件を詰めていくのです。

「そんな態度は自分のプライドが許さない」と感じるかもしれません。しかし、仕事を受けた以上、最終目的はあなたのプライドを守ることではなく、依頼を遂行することです。愚痴があれば同業者にでも研修会の際に話してください。「仕事が取れない」「行政書士は食えない」などの後ろ向きな愚痴は誰も面白くありませんが、実務に関した同業者間の仕事の前向きな愚痴は盛り上がるものです。

そして、いうまでもありませんが、キレたら終わりです。もし、法的な要件を満たしていても受理されないなどの場合は、その事実をお客様に伝えてから次の手段に移りましょう。

上級官庁に相談しよう

長年行政は「縦割り」といわれ、行政サービスの非効率が批判されてきましたがその名の通り書類の提出先には上級官庁があります。