加えて、知的謙遜レベルの高い人は、感情的に強い刺激や対立する意見に直面しても、過度に自分の正しさばかりに固執しない傾向があります。
これにより、相手への批難を含む自己防衛的な感情反応(怒り、不安、羞恥など)が起こりにくくなり、ネガティブな感情で自らを苦しめることが抑制されます。
結果として、感情ストレスに長くとらわれることが少なくなり、ネガティブな心理状態からの「回復」も早くなると考えられるのです。

今回の調査のように、ユダヤ系とパレスチナ系という大きな枠組みでなくとも、意見の対立や不和は日常的に起こります。
例えば、会社内や家庭内、あるいはSNS上の見知らぬ相手とも、意見や信念の違いから仲違いしたり、イラ立つことが多々あるでしょう。
そのように心が荒ぶったときは「自分の考えは絶対ではない。人それぞれ辿ってきた道があるのだから、相手の意見も一つの答えとして尊重しよう」と唱えて、心を鎮めるといいかもしれません。
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参考文献
Intellectually humble people show heightened empathic accuracy and emotional resilience
https://www.psypost.org/intellectually-humble-people-show-heightened-empathic-accuracy-and-emotional-resilience/
元論文
Intellectual Humility Predicts Empathic Accuracy and Empathic Resilience
https://doi.org/10.1177/0146167224131
ライター
千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。
編集者
ナゾロジー 編集部