たとえば、テーマパークの行列対策を考える場合、「入場制限をして混雑を減らす」というのはよくある話だが、発想を変えれば、「待ってる間にパレードやショーを展開することで、そもそも待ち時間を苦痛な時間から楽しい時間に変えてしまう」という視点もある。

常識を外したアイデアを出せるかどうか。それが頭の良さの本質の一つでもある。

コミュニケーション:相手の前提・語彙・関心を素早く察知し、 思考の最短経路で対話を進める「伝わる最適ルートを選ぶ」

ビジネスの現場では、「いかに経営資源を節約し、最小コストで最大伝達ができるか?」が重要だ。

優秀な人ほど、短い時間で多くの情報を的確に伝える。逆に、非効率なコミュニケーションをする人は、だらだらと長時間会議を開いては参加者の時間を奪い、結局何も成果が残らないことが多い。

倫理・利他性:知識や影響力を、長期的な他者・社会の 便益と整合する形で行使する「賢さを良い方向に使う」

近年、言葉巧みに人を騙す詐欺が蔓延している。皮肉な話だが、詐欺師のほうが凡人よりもはるかにコミュニケーション力があり、有能に見えることもある。きれいなスーツ姿に身を包み、相手から信用を勝ち取る術を熟知しているのだ。つまり、頭の良さが悪い方向に使われているのだ。

一方で、本当に賢い人の中には、高収入が見込める民間企業をあえて選ばず、国家や社会の発展に貢献すべく、公務の道を選ぶ人もいる。そうした“利他的な知性”は、まさに尊敬に値する。

ここまでざっと俯瞰してきたが、AIが導き出した「賢い人の条件」は、どれも「確かにそうだ」と感じさせられるものばかりだ。

世間では、賢い人=高学歴・高収入・大企業というイメージが強いが、それはあくまで結果論に過ぎない。まず“賢さ”が先にあって、その知性を活かして合理的な選択を積み重ねた結果として、進学や就職、キャリア形成に成功しているのだ。