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黒坂岳央です。

ネット上を騒がせているChatGPT o3。実際に触ってみると、4oとはまったく異質な印象を受けるモデルだ。

たとえば、外食時の写真を投稿すると場所を特定したり、効果音を作れたり、プロが作成したような画像を生成したり、高度なプログラムを即興で書いたりする。

明らかに、o3はこれまでのモデルの壁を一つ超えてきた。映像や音声の生成以前に、情報の「圧縮率」がとにかく異常に高い。脳内で情報を展開しきれないと、「回答の意味がよくわからない」となってしまうほどだ。

そんなo3に「頭のいい人とは何か?」と抽象度の高い、やや哲学的な問いを投げかけたところ、「頭が良いと感じさせる回答」が返ってきた。

実際出てきたものはこちら。

情報処理:膨大な情報の中から本質を素早く抽出し、 最小限の言葉で要点を整理できる(高い圧縮力)「短く話しても要が分かる」

いわゆる「高い圧縮力」だ。

これは逆のケースを考えればわかりやすい。仕事ができる人は言葉が短く、難しい話を「要するにこういうことですね」と、スパッと伝えてくる。周囲もスムーズに理解できる。

一方で、仕事がうまくいかない人ほど、難しい話や専門用語をそのまま垂れ流し、説明が長くて伝わらない。その結果、「この部分、再確認させてもらってもいいでしょうか?」というような余計な確認作業が発生し、時間がムダに消えていく。

ビジネスにおける敗北とは、リソースをムダにすることだ。それはお金だけでなく時間も含まれる。時間という貴重な経営資源を節約できる人は、確かに“賢い人”といえるだろう。

推論・構造化:事実・原因・結果を多層構造で整理し、 未知の課題に汎用フレームワークを当てはめて解く「未知でも筋道が立つ」

筆者が過去に見た“頭のいいビジネスマン”の例では、原因不明のトラブルに直面したとき、周囲が混乱する中で冷静に原因を整理し、可能性を一つずつ潰しながら論理的に解決に導いた。