ChatGPTは、入力された言葉のトーンや美徳性を認識し、対応を変えます。
優しい言葉が入ると、より礼儀正しく、細やかで優しい言葉を返す可能性が高くなるのです。
しかしこれが計算負担を増加させ、最終的には大型データセンターの電力消費を増大させるというわけです。
tens of millions of dollars well spent–you never know
— Sam Altman (@sama) April 16, 2025
そしてこの投稿に対し、ChatGPTを開発したOpenAI社のCEOサム・アルトマン氏は、次のように返答しました。
数千万ドルが消費されているよ。わからないけど。
彼の冗談めいた口調からすると、正確な計算が行われたわけではないでしょう。
それでも、「CEOが『お願いします』『ありがとう』といった言葉が大きな損失を生み出していることを認めた」と、とらえることができます。
これは、伝統的な「言葉の優しさ」が、現代のAIにとっては現実的な負担となるという複雑な問題を投げかけています。
では、AIには言葉の優しさは不要なのでしょうか。
AIへの丁寧な言葉遣いは「無駄」なのか
アルトマン氏の投稿には多くの反応がありました。
「AIへの丁寧な言葉遣いは、電力と時間の無駄」という考えに同意する人もいます。
実際、研究者たちはプロンプトデザインに対する制限や、返答スタイルの細やかな制御を検討し始めています。
例えば、「余計な言葉を抜き、正確な指示だけを使う」という方式です。
一方で、仮に電力が余分に消費されるとしても、丁寧な言葉を使用すべきだと考える人も少なくありません。

2024年後半の調査では、67%の人が、チャットボットに対して親切な言葉を投げかけていると回答しました。
そして、その人たちのうち、55%は「それが正しいことだから」と述べ、12%は「AIの反乱に備えてアルゴリズムをなだめるためだ」と述べたそう。