昨シーズン8月に行われたJ1第26節のアビスパ福岡戦(2-2)。田中は1-1の場面で83分に投入された。90分+6分にDF亀川諒史の勝ち越しゴールが決まり誰もが福岡の勝利を確信したが、そんな逆境の中でも大卒ルーキーの田中は落ち着いていた。90分+9分にMF中村桐耶のヒールパスを受けた田中がペナルティエリア付近から強烈なシュートを放つと、ボールはニアサイドに突き刺さり劇的な同点弾となった。田中のJ1初ゴールがチームに貴重な勝ち点1をもたらした。

1点ビハインドで迎える終盤の場面では、サイドに展開してからセンタリングへと転じることが多いが、田中はボールをフリーで受けると迷わずゴールを狙った。この並外れた度胸や強靭なメンタルは、近年の日本人選手の中でも突出しており、今後の活躍が非常に楽しみな選手である。


今回は札幌の“新たな心臓”として君臨するMF田中克幸の魅力やプレーについて紹介した。今後もチームをJ1へ導く活躍はもちろん、意外性のあるワンプレーで日本サッカーを盛り上げる姿に期待したい。