世界には、その土地に根ざした恐怖の物語が数多く存在する。それらは災厄や事故、戦争、あるいは人智を超えた現象によって生まれ、語り継がれながら独自の進化を遂げてきた。今回は、そんな「現実と隣り合わせの恐怖」を感じさせる10の伝説を紹介する。

1. レックス二等兵 ― 戦場に現れた“亡霊兵士”

世界の“ゾッとする”怪奇伝説10選!死者の囁き、森の叫び、そして暗闇の彼方に潜むもの
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI),『TOCANA』より 引用)

 第一次世界大戦の塹壕戦。過酷な環境の中、イギリス軍のスミス中尉が率いる部隊の中に、異様に疲れ切ったレックスという若い兵士がいた。無言で歩き続ける彼に声をかけ、ミルクタブレットを手渡した瞬間、その手は氷のように冷たかったという。しばらくして彼の姿は消え、驚いたスミスは捜索を命じるが、返ってきたのは「レックスは3日前に戦死して埋葬された」という衝撃の報告だった――。

 スミス中尉はこう語った。「死は怖くなくなった。なぜなら、レックスは死んでなお生きていると知ったからだ」。