かつてこのブログでIMFのSDR(特別引出権:ドル、ユーロ、円、ポンド、人民元の通貨バスケット)やSDRに金を足した新たなバスケットを創出して、それを基軸通貨にするというアイディアを紹介したことがあります。もう7-8年前だったかもしれません。
それから時間がたった今、ふと思うのは基軸通貨がなくても地域通貨による取引が起こる可能性はより現実的になってきたとみています。地域通貨は例えば中国元を使うというばかりではなく、中国元にインドやブラジル、ロシアなどの通貨ミックスを作りそれを使うことだって可能でしょう。
つまり基軸通貨ドルはトランプ氏が恣意的に何か価値を調整させようがさせまいが、いずれその存在を維持できなくなる公算が絶対にないとは言い切れない時代に入りつつあるのです。その中でトランプ氏が意図的に通貨価値をいじろうとすれば1985年のプラザ合意の時に比し、極めて大きなレバレッジが働くことで大混乱が生じるリスクが顕在化します。
恐ろしい話ですが、トランプ氏のように経済に政治を持ち込むことで地球規模の経済をいびつに、そして一定の壁を作るわけで国家レベルの貿易に一定の制限やルールが課されやすいなったと言えます。要は何が起きてもびっくりしてはいけないともいえます。
そう考えるとアメリカの国債が暴落して多量に所有する日本政府に被害が及ばないことだけを祈ります。一般的な投資のリスク分散の思想からは日本はアメリカに偏重投資の状況です。バランス感覚が非常に悪い気がするのは私だけでしょうか?
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年4月21日の記事より転載させていただきました。