初めて会った人から漂ってくる、シャンプーや柔軟剤、香水の香りに、なぜか心を揺さぶられたことはありませんか?
確かに「匂い」は、時に相手を強く印象付けるものです。
では、匂いは人間関係にどれほど大きな影響を及ぼすのでしょうか。
アメリカ・コーネル大学(Cornell University)の研究チームは、人への印象は、他の感覚と同じくらい嗅覚に左右されること報告しました。
そして、匂いだけで「この人と友達になれるかも」と感じる相手には、実際に対面で会っても同様の印象を持つ傾向があると分かりました。
研究の詳細は、2025年4月2日付の学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。
目次
- 「匂い」で友達を選ぶことはある?
- 人は匂いで「この人と友達になれるかも」と感じている
「匂い」で友達を選ぶことはある?
初めて出会った人に対して抱く感情は様々です。
「この人とは気が合わなさそう」と感じることもあれば、「この人とは友達になれそう」と感じることもあるはずです。
では、このような直感は、どんな要素からもたらされているのでしょうか。
「見た目」だと答える人は多いかもしれません。
確かに視覚情報は、第一印象に大きな影響を与えます。
では、それ以外の情報は、私たちの印象にどの程度の影響を及ぼしているのでしょうか。
今回、研究チームは、初めて会った人の「匂い」が、友情を築く上でどれほど重要な位置を占めているか調べることにしました。

研究に参加したのは、18歳から30歳までの異性愛者の女性40人(平均21.1歳)です。
これらの人たちにはTシャツが配られ、約12時間着用して普段通りの活動を続けました。
これにより、Tシャツには参加者それぞれの日常的な匂い(体臭、シャンプー、香水)が付着しました。
研究チームは、人が人と接する時のリアルな匂いを追求しました。