今回の研究結果では、自己選択は顕在および潜在的に興味を高める効果を持っていることを明らかにしました。

具体的には、ビー玉を引く箱を自分で選んだ場合、結果を待ち遠しく、興味を強く感じる傾向が確認されました。また自己選択せず、事前に興味を持った箱を、最終的に獲得できたとしても、興味が低下する傾向もありました。

たとえば、プログラムの参加を自分が選ぶ場合と事前に参加が決まっている場合の違いを考えてみてください。

そこには、参加にあたっての動機の有無、参加を決めた経緯など関与の度合い、主体感などに違いがあるはずです。すでに決まっているプログラムが自分が望んでいた方であれば、自己選択する必要はないと思うかもしれません。

しかし最終的に望む結果を得ることができても、自主選択が伴わないと興味が低下してしまうのです。

興味が高い状態が保てると、課題中の認知的機能の上昇や標達成率の向上までさまざまなメリットがあります。

これらの理由から選択を他の人やサービスに任すのではなく、自分自身で選択を行う方が良いといえるでしょう。

研究チームは「自由な選択肢は、興味を高め、学習・記憶を高める方法として有用である。一番効果が期待されるのは教育で、選択が興味や学習に与える影響のより詳細な理解を今後の研究に期待したい。」と述べています。

教育の分野では、学習指導要領によって学習内容や教材は指定されていることが多いかもしれません。そのなかでも、取り組む問題の種類や順番など、小さな部分から生徒の自己選択の機会を増やし、日々の学習に対する興味・関心を高くできるかもしれません。

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参考文献

Having a Choice Boosts Your Curiosity
https://www.psychologytoday.com/intl/blog/why-so-curious/202306/having-a-choice-boosts-your-curiosity