3. 解読不能な無線記録 – 聞こえなかったSOS?

 調査が進む中で、コックピットと管制塔との交信を記録していた航空無線会社(ARINC)の録音テープの存在が注目された。コックピットボイスレコーダーが登場する以前の時代である。パンアメリカン航空007便の乗員を知る元同僚パイロットたちは、このテープにかすかで歪んだ救難信号が含まれている可能性があると指摘した。特に、太平洋上で引き返し不能点に達したまさにその時に発信されたものだと考えられたのだ。

謎多き“パンアメリカン航空007便失踪事故” – 解明されぬ墜落の真相と3つの不気味な事実
(画像=画像は「Express」より,『TOCANA』より 引用)

しかし、このテープの分析は難航した。パンアメリカン航空が保管していた資料の整理に時間がかかり、テープが専門家の手に渡ったのは事件からかなり後のことだった。まず、ベル研究所の音響専門家が分析にあたったが、抽出できたのは最後の報告から15分後に発せられた「フォー・フォー」という断片的な言葉のみ。これは同機の便名「944」を示唆している可能性があった。

 さらにその後、録音機器メーカーであるディクタフォン社の技術者が最新機器を用いて再調査を行った。彼らは最後の交信から約7分半後に発せられたと思われる、かすかなメーデー信号と、マイクが開いたまま記録された乗員間の重要なやり取りらしきものを発見したと主張した。しかし、これらの音声が本当にパンナム7便からのものなのか、そして何を意味するのか、決定的な結論は出ないまま、1958年の墜落事故の真相は謎のままだ。

 太平洋の波間に消えた翼と、回収されることのなかった多くの命。空の旅が夢と希望に満ちていた時代、突如として訪れた悲劇の真相は未だ厚い霧に覆われている。聞こえなかったSOSは、今も時代の波音の間にかすかに響いているのだろうか。

提供元・TOCANA

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