今から70年近く前、パンアメリカン航空007便(PAA-944)が太平洋上で忽然と姿を消した。世界一周飛行の途中、ハワイへ向かうはずだった同機は、カリフォルニアを離陸後、予定ルートから大きく外れた海域で、機体の残骸と19名の遺体となって発見された。「空のロマンス」号と呼ばれた旅客機の突然の終焉は、多くの謎を残したまま、今なお専門家たちを悩ませている。
墜落原因の調査は困難を極めた。当時の民間航空委員会(CAB、現在の国家運輸安全委員会NTSBの前身)は最終的に原因不明と結論付けたが、隕石の衝突や地球外生命体の干渉といった憶測まで飛び交う始末だ。特に、以下の3つの不気味な事実はこの事件を一層不可解なものにしている。
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1. 遺体から検出された異常な一酸化炭素
機内火災を示す決定的な証拠はなかったにもかかわらず、回収された遺体の一部、特にパイロットの遺体からは、異常に高い濃度の一酸化炭素が検出された。CABはこれを遺体の腐敗過程で自然に発生するものだと説明した。
しかし、検死を担当した陸軍の病理学者はこの見解に異議を唱えた。彼は、検出された一酸化炭素の一部は墜落前の火災や爆発によって生じた可能性があり、単なる腐敗によるものとは考えにくいと指摘したのだ。乗員乗客38名のうち、残る半数の状況は不明なままであり、一酸化炭素の謎は未解決のままである。

(画像=同型機のボーイング377 RuthAS – 投稿者自身による著作物, CC 表示 3.0, リンクによる,『TOCANA』より 引用)