2. なぜSOSは発信されなかったのか?

 残骸の発見場所から、パンアメリカン航空007便は最後の定時位置報告から、さらに23分間飛行を続けていたことが示唆されている。しかし、その間、乗員から救難信号(SOS)が発信された形跡は一切確認されていない。

 CABは最終報告書で、乗員が救難信号を送った可能性は「完全にあり得る」としながらも、「パンアメリカン航空007便から緊急通信があったと明確に立証することはできなかった」と結論付けた。緊急事態発生後、航空機からは一切の無線連絡が途絶えていたのだ。