これは「財源」ではない。輸出還付金は普通の仕入税額控除と同じで、今の消費税額に含まれている。売上税にしたら「必要財源5兆円」ではなく、輸出企業の払う8.4兆~9.6兆円が減収になり、合計14兆円の財源が失われるのだ。
多段階の消費税はメーカーから小売店まで公平に負担し、税金のごまかしをなくす第2法人税である。これを小売店だけが負担する売上税にしたら小売店は廃業し、商店街は消滅するだろう。そもそもトランプ関税で困っている輸出企業の還付金をなくして「輸出税」をかけようという発想が倒錯している。
法人税と所得税を増税する「減税案」もっと笑えるのは、この「減税案」である。
昨日、消費税を5%にする研究会の報告書を取りまとめ、多数のマスメディアご出席のもと、記者会見を行いました。(牧義夫幹事長、福田昭夫事務局長同席)
要点としては、
1.消費税を5%に引き下げて、物価を下げる。同時にインボイス制度を廃止する。… pic.twitter.com/h9Fws41VWn
— 末松義規 衆議院議員(小平市・国分寺市・国立市)【東京19区】立憲民主党 (@9999suematsu) April 19, 2025
「未公表の隠し金11兆7645億円」と書いているが、これは上にも書いた還付金で、消費税収はこれを差し引いた額が計上されているので、隠し金でも何でもない。これは36年前に消費税ができたときから変わらないしくみだが、それを今ごろ「隠し金」と称して大発見のように記者会見で発表するのは噴飯物である。
この提案はよく読むと「法人税と所得税を20.1兆円増税して4.4兆円増収になる」と書いている。つまりこれは減税案ではなく、れいわ新選組や共産党も主張する法人税の増税案なのだ。
これが日本の国会議員の知能程度である。この提案は学生のレポートでも落第する代物だが、政治家の知能テストには使える。ちょうどこの江田一派の議員の一覧表があるので、今度の選挙で投票してはいけない議員のリストとして便利だ。