金儲けの話が嫌いない人は少ないと思いますが、その中で不動産は人生最大の買い物であり、長期のローンを組んで買った自分の資産が少しでも値上がりしてくれるとそれは嬉しいものです。私の住むカナダのコンドミニアムの隣人が居住数年で売ることに決め、売り出しをしていました。金額が現在の市場価格レンジからはかなり上で「マジか?」という水準。しばらくして隣人とばったり出くわしたのでエレベータートークで「どうです?」ときけば「あの金額で売れたよ!」と。心の底で「えぇぇぇぇー」であります。多分数年間で3000万円は儲けたでしょう。
では日本。この10年強は不動産価値が大きく変化した時期だと思います。過熱感はないのですが、知らぬ間に人気ある物件なら2倍になっているという感じでしょうか?土地も場所により5割ぐらい上がっています。では不動産の高騰は今後も続くでしょうか?私の見方は土地代の上昇率より建築費の上昇率が高く、結果としてマンション価格の底上げが継続されるとみています。一方、土地については有効活用できなければ日本全土で一律平均で上がることはなく、今後はまばらな展開になるとみています。商業地は別ですが、住宅地で駅から遠いところは需要が限られます。人口減と人口集積が同時に起きるはずで今後、不動産価格形成はとてもいびつになるでしょう。
カナダのメディアは「今年の春の不動産市況はかつてない低調な展開」と報じていますが、私の隣家のように物件によってはすぐに売れます。ポイントは世の中に一つとして同じものがないはずの不動産において圧倒した特徴を持つ物件は値上がりし続けるはずで、長年お付き合いできる秘訣です。そんな不動産は日本でもカナダでもたぶん全体の数%しかないと思います。不動産で儲けたいなら価格で選ぶのではなく、物件の持つ価値観で選ぶ、これが最も重要なポイントです。
後記 先週末の土日にイベント出店。今回はアニメ本ではなく、転んでも骨が折れにくいカーペットと訪問介護事業の案内ブース。他の出店者はじゃんじゃん売れて2日で100万円ぐらい売るところも続出の中、私たちはゼロ円の売り上げ。それでもどうしても日本発のカーペットの下に敷くハイテク衝撃吸収材を紹介したくて私を含め3人がかりで95%の非日本人に売り込みです。2mの高さからガラス製のジャーを落としても割れないパフォーマンスをすればすぐに人は寄ってくるので3人がそれぞれのお客さんに商品の説明で2日間、しゃべり通しです。こんな地味なビジネスだけど日本のテクノロジーを紹介することもたこ焼きや弁当を売るのと同じぐらい大事なプロセスだと信じています。