どうするウクライナ
このところニュースの主役から外れているウクライナ問題、理由は停戦交渉が膠着状態にあるからです。トランプ氏の「すぐに決着がつく」という言葉とは真逆で様々な利害関係が複雑に入り混じります。おまけにトランプ氏は資源ディールを推し進め、ウクライナからビジネスをかすめ取ろうとまでしているのです。傍から見ると結局ウクライナは丸裸にされつつあるように見え、コメディアン出身のゼレンスキー氏にとって笑い種になりかねない最悪シナリオが見えてきてしまいます。
停戦交渉の最大のポイントは2点。ひとつはウクライナはNATO加盟申請を諦めるか、もう一つは東部ウクライナの処遇をどうするか、です。前者はたぶん当面は代替案である欧州を中心とした平和維持軍の国境警備で妥協が可能な気がします。ただし、後者の領土割譲はゼレンスキー氏は譲らないでしょう。仮にプーチン氏が主張するウクライナの大統領選を早期に行い、別の人が大統領になった場合、あっさり領土割譲となる公算もあります。言い換えるとゼレンスキー氏のツッパリが今の問題が解決しない主因であり、交渉による落としどころをそろそろ提示しないと第三国による強制的な縛り、ないし世界世論を味方につけ続けるのが困難になる公算があります。
私がわからないのはウクライナの世論が真の意味でゼレンスキー氏を支持しているのかであります。同国の世論調査ではトランプ氏とケンカした直後、ゼレンスキー氏の支持率が68%までジャンプしていますが、基本的にはこの反応は瞬間的なものです。また戦争当事国の国民からすれば弱気になれないけれど本心はもうコリゴリのはず。日本が終戦した途端態度が変わったのと同じです。とすれば私はゼレンスキー氏は大統領選を通じて国民に問う勇気を出すべきだと思います。我々外野がどうこう言うより自国民にその判断を問うべきでしょう。