
昨季は優勝したヴィッセル神戸と勝ち点4差の2位でシーズンを終えたサンフレッチェ広島。直近3シーズンはいずれも3位以内と安定した強さを誇り、あとは優勝を成し遂げるのみというなか迎えた今季も序盤戦から白星先行で現在1試合未消化ながら首位と勝ち点2差の暫定6位につけている。
そんな広島だが、この冬は大きな別れの季節でもあった。昨季途中にチームに加わったFWゴンサロ・パシエンシアやキプロス代表で昨季は8ゴールを挙げたFWピエロス・ソティリウら最前線の外国籍選手が軒並みチームを去り、さらに中盤で存在感を放っていたMF松本泰志も浦和レッズへ移籍と戦力の流出が複数発生した。
しかし、それでも今季これまでと変わらず上位争いを繰り広げているのは新戦力の活躍による部分が大きい。ここでは、一部の戦力流出があった広島を支える新加入選手たちの活躍ぶりを5段階で評価する。なお、リーグ戦で出場機会のない選手および開幕後に加入した選手は対象外とした。

MF田中聡
評価:★★★★★
昨夏開催されたパリ五輪。ボランチの候補であったMF田中聡は残念ながら18名の中に入れず悔しい落選を味わった。しかしリーグ戦での活躍は目覚ましく、昨季は湘南ベルマーレのJ1残留にも大きく貢献した。そんなチームの心臓として躍動した田中だったが、今冬活躍の場を広島へ移すことを決めた。湘南にとっては大きな痛手となったが、その分広島から見れば大いに期待が膨らむ補強となったのは言うまでもない。
実際に開幕を迎え、田中は期待通りの活躍を見せ続けている。中盤で豊富な運動量を武器に広い範囲をカバーし相手の攻撃の芽を摘み取るなど、特に守備面で重要な役割を果たしている。新天地で早速実力を十分に発揮している田中。その働きぶりとさらなる成長が期待できる点も含めて評価を「5」とした。
