「未来の私たちの移動がどうなっていくのかをイメージしていただいて、その未来を一緒に作り上げていきたい」

【万博】四足歩行の「未来の乗り物」展示 重心を移動させ進行方向など操作 燃料は水素 川崎重工開発

「2050年に向けてこういった乗りものが実現できれば」

150cc水素エンジンが生む電気で4脚を駆動 川崎重工のコンセプト「CORLEO(コルレオ)」登場

つまり、コルレオは、あくまでKawasakiの「構想」。150cc水素エンジンやら、重心移動操作やら、ラバー素材のひづめやらは、製品スペックではない。「設定」なのである。

案の定、先の報道記事には以下のようなコメントも投稿されている。

「CGではなく、どこまでできるのか知りたい」 「ぎこちなくてもいいから本物を見せてほしい」

では、ご覧頂こう。以下の映像が現実である。

Kawasakiが、国際ロボット展2022に出展した4足歩行ロボット「RHP Bex」の映像だ。

人を乗せて移動できている。荷物も運べている。動きは鈍いが、大変な技術であることはわかる。だが、先のプロモーションビデオと比べると大分見劣りがする。この差を、どう考えるべきか。

ルンバの警鐘

ロボット掃除機「ルンバ」を製造するiRobot社の創業者ロドニー・ブルックス博士は、日本企業の過剰「演出」に警鐘を鳴らす。

博士は、東日本大震災の原発事故を知った直後、iRobot社製ロボット「パックボット」4台を日本に提供するとともに、社員6人を派遣している。ロボット大国と言われていた日本が、なぜ海外のロボットに頼らざるを得なかったのか。インタビューで問われたブルックス博士は、「教訓」としつつ、以下のように答えている。

「(教訓とは)日本のロボットが実際よりもはるかに高度なものであるかのように、メディアが誇大宣伝をしていたことです」

「彼らが持っていたのはすばらしい『ビデオ』であり、現実のものではありませんでした」