「死は終わりではない」――そう断言するのは、オックスフォード大学で教育を受けた哲学者、クリス・カーター氏だ。彼はイギリスの「幽霊屋敷」とされる農家で超常現象を体験したことをきっかけに、死後の世界の存在を合理的な疑いを差し挟む余地なく証明できると確信しているという。その論拠として、カーター氏は著書『死後の世界を支持する論証(Case for the Afterlife)』の中で、臨死体験や死の床での幻視、幽霊や亡霊の出現、そして前世の記憶を持つ子供たちといった、数多くの超常的な現象を詳細に検証している。
では、もし死後の世界が存在するとして、そこは一体どのような場所なのだろうか? カーター氏は、魂が経験する「死後の旅」と、私たちが「地獄」と呼ぶものの実態、そして「神」との出会いについて、驚くべき見解を明らかにしている。
業火や拷問はない? 死後の魂が辿る7つの世界
カーター氏の説明の多くは、心霊現象研究協会(SPR)の創設者であるフレデリック・マイヤーズ氏が「死後にもたらした」とされるメッセージに基づいている。マイヤーズ氏によれば、一般的に考えられているような業火や拷問に満ちた「地獄」というものは存在しない。死後の世界とは、魂が経験するいくつかの異なる「界層(プレーン)」を巡る旅であり、いわゆる「冥界」はその過程における一時的な休息場所に過ぎないというのだ。
マイヤーズ氏が描写したとされる死後の旅路は、主に以下の7つの界層から成る。
ハデス(中間状態、アストラル界):死後最初に訪れる、二つの世界の境界にある一時的な休息場所
第三界層(地上の想像力の領域):地上での意識や思考が影響する領域
エイドス:(詳細不明だが)おそらく形相や理念の世界に関連する界層
炎の界層:より高次のエネルギー領域
光の界層:さらに純化された光の世界。
アウト・ヨンダー(彼方の領域):物質的な宇宙からの離脱が始まる領域。
第七界層:物質宇宙からの完全な飛翔と神との直接的なつながりが起こる最終段階。
カーター氏によれば、最初の界層である「ハデス(アストラル界)」は、決して恐ろしい場所ではなく、魂が次の段階へ進む前に休息をとる場所である。ここに留まる時間は個々の魂の必要に応じて異なり、特に子供たちの魂はほとんど休息を必要とせずに次の界層へ移行することが多いという。