水分補給のミステリーと未来への期待

 特筆すべきは、科学者たちが長年サンタ・バルバラ島の謎めいたヤギたちを研究してきた中で、彼らが水を飲んでいる姿を一度も目撃したことがないという点だ。「では、どうやって2世紀以上も生き延びてきたのか?」という大きな疑問が残る。現時点では専門家も推測するしかない。

 一つの可能性として、ヤギが海水を飲むことに適応し、その習性が世代から世代へと受け継がれたのではないかという説がある。また別の説では、島で見られる水分含有量の高い植物「ベルドロエガ」(スベリヒユ科の植物の一種とされる)が、彼らの生存を支えていたのではないかと考えられている。

気候変動時代の“救世主”になる?真水ゼロの孤島で200年以上繁栄したヤギの謎
(画像=画像は「Oddity Central」より,『TOCANA』より 引用)

 しかし、サンタ・バルバラ島のヤギたちは、ただ生き延びていただけではなかった。彼らは明らかに「繁栄」していたのだ。研究者たちは、島での出産の多くが双子であったことを報告しており、これはヤギたちが「栄養状態が良く、健康であった」ことを示唆している。

 ブラジルの科学者たちは、サンタ・バルバラ島のヤギを研究することで、その極限的な回復力の秘密を解き明かしたいと考えている。その知見は、気候変動の課題に立ち向かい、ブラジル北東部のような乾燥地域で生き残るのに適した、新しい家畜品種の開発に役立つ可能性があるのだ。真水なき孤島で育まれた驚異の生命力は、未来の食糧問題や環境適応へのヒントを与えてくれるかもしれない。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?