研究では、定期的に筋力トレーニングを行っている17名の健康な男性(18~25歳)を対象に、クロスオーバー形式を採用。
各被験者に対して、運動の約60分前に特定の飲料を摂取してもらいました。
それぞれのセッションでは、朝にカフェイン入りコーヒー(体重1kgにつき3mg)、夕方にカフェイン入りコーヒー、朝にカフェイン抜きコーヒー、夕方にカフェイン抜きコーヒーが与えられました。
その後、朝8時から10時の間、夕方16時から18時の間に、それぞれ身体テストと認知テストが行われました。
テスト内容は、握力、背筋、ウィンゲート・スプリント(自転車を漕ぐ)テスト、反応時間を評価するフランカー課題などでした。
さらに、各参加者のクロノタイプ(朝型か夜型か)も事前に評価され、パフォーマンスとの関連性を比較されました。
カフェイン入りコーヒーは朝型夜型に関係なく筋力パフォーマンスを高める
研究の結果、カフェイン入りコーヒーを摂取した条件では、握力、背筋力、スプリントパフォーマンス、がいずれも向上していました。
これらの改善は、クロノタイプや時間帯に関係なく明らかでした。
とはいえ、微妙な違いも見られました。
例えば朝型の人は、朝にカフェイン入りコーヒーを摂取した場合、夕方に摂取したよりもパフォーマンスが向上していました。
同様に、夜型の人は朝よりも夕方に摂取したほうがパフォーマンスが向上していました。

一方で、今回の実験では、カフェイン入りコーヒーは認知能力に有意な影響を与えませんでした。
フランカー課題のパフォーマンスは、カフェイン入りと抜きで違いが出なかったのです。
(ただし研究チームは、認知テストが1種類しか行われなかったという今回の研究の限界を認めており、認知能力に対するカフェインの影響を正確に反映できていない可能性を指摘しています)