人為的ミスと整備不良:避けられたはずの惨事

■アメリカン航空191便墜落事故(1979年)

【世界を震撼させた航空機事故File】9.11、ゴーストフライト、“ファイナル・デスティネーション”的事故まで
(画像=画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

シカゴ・オヘア国際空港を離陸した直後、アメリカン航空191便(マクドネル・ダグラスDC-10型機)の左翼エンジンが脱落し、機体は制御不能に陥り墜落。乗客乗員271名全員と地上にいた2名が死亡した。調査の結果、アメリカン航空が行っていた不適切な整備手順がエンジン脱落の原因と断定された。

 この事故には奇妙な逸話もある。デビッド・ブースという男性が、事故の数日前から10夜連続でジェット機が爆発炎上する悪夢を見続け、連邦航空局(FAA)に通報していたという。また、搭乗予定だった乗客リンゼイ・ワグナーは、直前にひどく嫌な予感がして搭乗を取りやめ、命拾いした。この出来事は、死の運命を予知する若者たちを描いたホラー映画『ファイナル・デスティネーション』を彷彿とさせるとして話題になった。

【世界を震撼させた航空機事故File】9.11、ゴーストフライト、“ファイナル・デスティネーション”的事故まで
(画像=画像は「Amazon」より,『TOCANA』より 引用)

■ナショナル・エアラインズ102便墜落事故(2013年)

【世界を震撼させた航空機事故File】9.11、ゴーストフライト、“ファイナル・デスティネーション”的事故まで
(画像=画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 アフガニスタンのバグラム飛行場を離陸した貨物機ナショナル・エアラインズ102便(ボーイング747型機)は、高度1200フィート(約370m)付近で急激に機首が上がり失速、墜落・爆発炎上し、乗員7名全員が死亡した。原因は搭載されていた5台の大型装甲車両の固定が不適切だったこと。離陸時の加速で貨物が後方へ移動し、後部の圧力隔壁を破壊、飛行制御システムを損傷させたため、回復不能な機首上げ状態に陥った。

■アエロフロート1492便炎上事故(2019年)

【世界を震撼させた航空機事故File】9.11、ゴーストフライト、“ファイナル・デスティネーション”的事故まで
(画像=画像は「Wikipedia」より,『TOCANA』より 引用)

 モスクワ・シェレメーチエヴォ国際空港で、アエロフロート1492便が緊急着陸時に炎上し、乗客乗員78名のうち41名が死亡した。事故機は離陸直後に落雷に見舞われ、電気系統に異常が発生。着陸を試みた際、機体は滑走路で激しくバウンドし、着陸装置が破損、翼から漏れた燃料に引火した。調査の結果、機長の操縦ミスが事故につながったとされ、機長は有罪判決を受けた。

■チャイナエアライン642便着陸失敗事故(1999年)

【世界を震撼させた航空機事故File】9.11、ゴーストフライト、“ファイナル・デスティネーション”的事故まで
(画像=Aero Icarus from Zürich, Switzerland ,『TOCANA』より 引用)

 台風が接近する中、香港国際空港に着陸しようとしたチャイナエアライン642便は、ハードランディングの末に機体がひっくり返り、滑走路から外れて炎上。乗客乗員315名のうち3名が死亡した。事故報告書ではパイロットエラーが原因とされたが、航空会社側は着陸直前に局地的な下降気流(マイクロバースト)に遭遇したことが原因だと主張した。これは1998年に開港した新香港国際空港で初めて発生した死亡事故だった。

 これらの事故は、空の安全がいかに多くの要因の上に成り立っているかを物語っている。技術の進歩や安全対策の強化により、航空事故は着実に減少しているが、過去の悲劇から学び続けることが、未来の安全を守る上で最も重要なのである。

 空の旅は日常になったが、その裏には数えきれない教訓が眠っている。忘れてはならないのは、「まさか」が現実になる瞬間があるということだ。

提供元・TOCANA

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