では、お客様から選ばれる士業になるためには、いったいどのような対応や見せ方をすればよいのでしょうか。ここでは顧客視点で考えてみましょう。

あなたが税理士を探していたとします。多くの税理士の売りが「誠実な対応」や「迅速な手続き」です。あとの差は報酬くらいしかありません。その中で、積極的にマーケティングに取り組んでいる税理士がいる。そんな税理士がいたら、「この税理士のほうが面白そう」と感じませんか? つまり、お客様は「どうせ士業に仕事を頼むなら、面白い人(興味深い人)を選びたい」と考えているのです。

実際に、私が取り続けてきた会社の設立手続きというのも、極端な言い方をすれば誰がやっても大きな差が出にくい仕事だといえます。私が会社をつくったからといって、売上が伸びる保証などどこにもなく、せいぜい間違いなく会社を設立した、という結果があるに過ぎません。そうなれば、「頼んでその後得をする人」に依頼したいと考えるわけです。

私の場合は、「インターネットマーケティングに強い」という2003年ではまだまだ珍しいタイプの行政書士だったため、多くの人が「どうせ会社をつくるのだったら、今後もビジネス的にお付き合いできる人がよい」ということでたくさんのお客様に支持されてきました。

このようにお客様にとっては、「誠実な対応」ができるのはわざわざアピールすることもないくらい当たり前のことで、それ以上に面白い人を求めているのです。つまり、ただ普段の対応を誠実にしているだけでは、「普通」なのです。仕事をもっと取りたいと考えれば、それ以上に自分自身のバージョンアップをする必要があります。

あなたなら、どちらの士業に依頼しますか?

「つまり、ただ普通に士業をするだけではなく、ビジネスに積極的な姿勢があるということが重要なのでしょうか?」という問いに対しては、そのとおりであるといえます。例に挙げた税理士でも行政書士でも弁護士でも、経営者を相手にする仕事であればビジネスに積極的であることは有利な条件です。今日からでも遅くはないので、ぜひビジネスを学び積極的な姿勢を身につけてください。