たとえば、南アフリカは降雨量が中程度の地域ですが、この地域の言語であるニャンジャ語、イースト・ター語、ショナ語には、雨に関連する語が多数存在していたのです。
これについて研究者らは「雪とは異なり、雨が人間の生存にとって非常に重要であるため、たとえ雨が降っていなくても人々は雨について話す必要があるからでしょう」と話しています。
要するに、雨が全然降らない地域に住む人々は「雨が降ってほしい」と願うからこそ、雨に関する言葉も増えていたというわけなのです。
このように、それぞれの地域ごとの言語は、その地に暮らす人々の日常生活や宗教、文化的儀礼と深く結びついていることが改めて確かめられました。
普段何気なく使っている日本語の中にも、気づかないだけで、私たちの文化や思想の記憶が刻まれた語彙があるのかもしれません。
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参考文献
Do Inuit languages really have many words for snow? The most interesting finds from our study of 616 languages
https://findanexpert.unimelb.edu.au/news/102369-do-inuit-languages-really-have-many-words-for-snow%3F-the-most-interesting-finds-from-our-study-of-616-languages#:~:text=But%20our%20results%20suggest%20the,high%20scores%20for%20%E2%80%9Csnow%E2%80%9D.
元論文
A computational analysis of lexical elaboration across languages
https://doi.org/10.1073/pnas.2417304122