冒頭でもお伝えしましたが、マーケティングに絶対はありません。とはいえ、周りの多くの人が「うまくいかない」といっていれば不安になるのも当然のことかもしれません。

また、広告費やダイレクトメールにかける経費のことを考えれば、一層不安は募るばかりです。そして、最終的には「失敗」することが怖くなり、行動を留保してしまうのです。私も辿ってきた道なので、気持ちは痛いほどわかります。「行動が重要だ」といわれてもやはり失敗は怖いものです。

そこでひとつ発想の転換をお教えします。次のように考え方を変えれば、マーケティングに取りかかる際に気持ちが楽になります。

それは、行動の結果に「成功」「失敗」のどちらかを当てはめないということです。DMの反響があれば成功、なければ失敗では、やはり失敗した時に心に痛手を負ってしまいます。そこで、「失敗」は単なる「結果」と置き換えます。「この方法ではうまくいかない」という結果がわかったという認識に変えて、次に進みます。こうすることで気持ちが少し楽になります。

私自身、行政書士としてもコンサルタントとしてもさまざまな経験をしてきました。行政書士専業の頃は、ダイレクトメールが当たらなかった経験や、広告反響ゼロということは本当に日常的で、ファックスレターを送っては怒られ、たくさんの失敗を繰り返してきました。

コンサルティング会社を経営する中でも何十万円も使った挙げ句、誰も採用できなかった採用活動があったり、まったく売上が伸びず潰してしまった事業もあったりしました。

私の軌跡は、成功と失敗という言葉でくくれば、明らかに失敗のほうが多いビジネス人生です。毎回落ち込んでいたら、そして失敗を恐れ行動をためらっていたらこのような本を書いてはいなかったでしょう。

このように、マーケティングに絶対も正解もありません。ただ結果があり、その結果を見直して次からもっと確率を高めていく。これがマーケティングの世界でいわれる「PDCAサイクル」というものです。プランをつくり、実践する。そして検証してもう一度行動する。この地道な行動を繰り返していった人だけが成功します。