90分ごとの仮眠であれば、疲労回復に役立つだけでなく、スッキリと目覚められるのです。
一方、30分以内の仮眠は深い睡眠に入る前に覚醒するため、目覚めが良く作業効率を高めることができます。
そのため仮眠を2回に分割するケースでは、仮眠時間を60分と60分ではなく、90分と30分にしているのでしょう。
そして今回、折山氏は、これらの研究データを再分析することで、16時から翌9時までの夜勤における理想的な仮眠の方法を見つけようとしました。
眠気を抑えるには90分と30分に分割した仮眠が効果的
再分析の結果、120分(22時~24時)の1回の仮眠を取った人は、4時になると強烈な眠気と疲労感に襲われ、それがシフト終わりまで続くと判明しました。
一方、2回の仮眠(22時30分~24時、2時30分~3時)に分けた人は、6時まで眠気を感じませんでした。
また午前9時までの疲労感も軽減しました。
同じ睡眠時間でも2回に分割した方が、眠気や疲労感を感じにくかったのです。

認知課題のパフォーマンスに関しては、1回の仮眠と2回の仮眠に差はありませんでした。
ただし、分割した90分の仮眠において、眠りに落ちるのに時間がかかった人は、内田クレペリン精神検査(タスクの速度と正確性を測定する試験)のスコアが悪かったようです。
眠りに落ちるのに時間がかかったため90分の睡眠サイクルが崩れ、深い眠りの途中で起きなければいけなかったからでしょう。
加えてこの研究では、仮眠のタイミングも重要だと判明しました。
仮眠のタイミングが遅くなるほど、眠気や疲労感を防ぐ効果が高まる傾向にあったのです。
ただし遅すぎると、睡眠欲が高まって作業中の集中力が妨げられる可能性もあるため、今後より適切なタイミングを探す必要があります。