―ワルシャワ条約機構加盟国(1991年に正式に解体):ソ連、ポーランド、東ドイツ、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア(ソ連は1991年12月崩壊、チェコスロバキアは1993年からチェコとスロバキアに)

―バルト三国:エストニア、ラトビア、リトアニア

―バルカン半島の共産主義国:ユーゴスラビア、アルバニア(注:ユーゴは1991年から2006年の間に解体)

など。

EU加盟国は

冷戦が終結し、かつては「東」に区分けされた国々が欧州連合(EU)に加盟するようになった。

ー地理的には「中欧」ともいえる国:ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー

ー東欧・バルカン地域:ルーマニア、ブルガリア

ーバルト三国:エストニア、ラトビア、リトアニア

東と西、再び

複数の国名を挙げたが、みなさんの中では「西欧」あるいは「東欧」というと一定のイメージが湧くと思うので、難しい概念ではないだろう。

東欧諸国が次々とソ連から独立し、ソ連自体も崩壊していく1990年代初頭以降、政治の文脈では「東西」の定義が変わっていく。

例えば、民主化を果たし、EUにもNATOにも入っているポーランドは今、広い意味で「西側のグループの一員」ともいえる(それでも、「東欧」あるいは「旧東欧」として分類されることが多い)。

ちなみに、オーストリアも「中欧」だが、EUに加盟しており、「西側」の中に入る。ただし、オーストリアはNATOには加盟していない。

しかし、最近のトランプ大統領のモスクワへの接近や、NATOの東方における防衛義務に対する姿勢の変化により、冷戦時代の地理的区分が再び意識されるようになっている、とクーパー氏は指摘する。

助けない西欧諸国

コラムを読むうちに悲しくなってくるのは、後半に出てくるこんな指摘だ。

「西欧に住む人や米国人は歴史的に東欧のために戦ったことがない」。

「ソ連が東欧諸国を支配していたころ、西欧は豊かな暮らしをしていたし、ロシアのプーチン大統領が東欧を支配しても西側は継続して豊かな暮らしを維持できると考えている」。