2013年、アールト大学の研究チームは、この身体マップを使って、怒り、嫌悪、恐怖、悲しみ、驚きなどの14の感情によって身体のどこが活性化されるか示しました。
人々は、愛(love)や幸福(happiness)が全身を活性化すると感じており、憂鬱(depression)はその真逆でした。
また、怒り(anger)が腕を活性化しているのも興味深い情報だと言えます。
人々の「カッとなって手を出したくなる」感覚がよく表現されていると言えますね。
2018年には、フィンランドの研究グループが、より広範な「身体マップ」を作成し、認知機能、身体状態、病気などと主観的な感情がどのように関連するか調べました。
そして今回、リンネ氏ら研究チームは、様々な感情の中から「愛」だけをピックアップし、人々の主観的な身体マップを作ることにしました。
愛を感じる身体の部位はその種類によって大きく異なる

研究チームは、ロマンチックな愛、性的な愛、親が抱く愛、友人への愛、見知らぬ人への愛、自然への愛、神への愛、自分自身への愛など、27種類の愛について調査しました。
オンライン調査を通して参加者に自分の身体マップを描いてもらい、合計539(男性62、女性426、その他51)件のデータを使用しました。
参加者の多くは、高等教育を受けている若い女性だったようです。
そして参加者たちは、それぞれの種類の愛を身体のどこで感じたか、そしてその愛が肉体的および精神的にどれくらい強かったか、主観的に表現しています。
これらの情報をまとめて分析した結果、研究チームは、次の点を知ることができました。
まず、あらゆる種類の愛は頭で感じられるが、身体の他の部分では、愛の種類によって活性化が大きく異なるようです。
胸に広がるケースもあれば、体全体に広がるケースもあったのです。
