投票率の低さは単なる無関心ではなく、投票先がないという理由が大きいのは、世間を見ていればわかります。

「投票したい政治家がいないから行かない」という気持ちはもっともです。しかし“投票に行かない”という行動自体が、今の政治に対する最大の“黙認”になってしまっているのが現実です。

多くの人が「投票したい候補がいない」「誰が投票しても同じだ」と感じているのは自然なことです。

しかし、選挙で最も影響を持つのは、投票結果よりも、投票率の分布です。

ある政党が「20代の投票率が10%しかない」と知れば、その世代のニーズは無視されやすくなります。逆に「若年層の投票率が上がってきている」となれば、政策に配慮せざるを得なくなります。

政治家は当選しなければ無職になってしまいます。政党は当選者が減ればその力が大きく減退します。投票率の高い層を無視して選挙に臨むなんて賭けはできないのです。

つまり、「誰かに勝たせる」ことよりも、「自分たちの存在を政治に知らせる」ことに意味があるのです。

 嫌いな政治家を避けて“投票”するだけでも、社会を変えるために有効な行動

政治が若者を無視しているのではなく、若者の存在感がなさすぎるのが問題
政治が若者を無視しているのではなく、若者の存在感がなさすぎるのが問題 / Credit:canva

たとえば、あなたがこう考えていたとします。

  • 「どの政党も完璧じゃない。でも、このまま自民党に白紙委任はしたくない」

  • 「維新は怖いし、立憲もイマイチ納得できない」

こうなると確かに投票先がありません。でも、投票率が上がれば“自分たちは無関心じゃない”と伝えられます。

このとき、「とりあえず嫌いな政治家を避けて一票」「勝たせたくないところを避けて一票」という消極的な動機であっても、その投票は確実に政治家にとっての“圧力”になります

ベストを選ぶのではなく「ワーストを選ばない」一票に意味があります。

「このままでいい」と思われることだけは避けなければいけません。