また、古賀は筆者の質問にも応じ、自身の見解を口にしている。ウイングFWのみならず、自身の後方に立つ味方センターバックとの距離感も気にしていたようだ。
ー古賀選手の立ち位置が低すぎるがゆえに、相手のウイングFWのプレスをもろに浴びそうな構図になっているように見えました。立ち位置の高さについてはどのように考えていましたか。
「自分が高い位置をとりすぎると、貴子さんがサイドに開いていましたし、紗希さん(センターバックのDF熊谷紗希)がボールを持ったときにパスの出しどころが無くなると思いました。自分だけでなく、周りの選手ももっと動きながらパスコースを作れたら良かったと思います」
ー左サイドバックの北川選手だけが高い位置をとり、4バックの残り3人で3バックを作りながら攻撃する場面がありました。この配置が一番やりやすそうに見えたのですが、いかがでしたか。
「自分は元々センターバックの選手なので、サイドに張ってドリブルを仕掛けるよりかは、内側に立ってパスを繋ぐ形でビルドアップするのが得意です。(北川)ひかるさんを上げて3バックみたいにするのは、紗希さんと(南)萌華さんとも話して、そのような立ち位置をとりました」
古賀のコメントを踏まえると、同選手をサイドの高い位置に立たせるならウイングFWを内側に立たせ、且つセンターバックと古賀の間にインサイドハーフを降ろす。これにより古賀が懸念していたセンターバックとサイドバック間が開きすぎる現象を回避でき、タッチライン際で自身とウイングFWが縦関係にならない。北川だけを上げる形に加え、この隊形変化も徹底すべきだろう。

クロス対応の甘さを突かれ失点
前半29分に籾木が敵陣ペナルティエリア内でDFメアリー・ホセ・アルバレスに押し倒され、PKを獲得したものの、籾木のキックは相手GKキャサリン・タピアに阻まれる。先制のチャンスを逃したなでしこジャパンは同35分に自陣ペナルティエリア付近での守備が緩み、相手MFベドヤのクロスボールからFWカルラ・トーレスのヘディングシュートを浴び失点した。