前半3分には、センターバックの南から左サイドバックのDF北川ひかるへボールが送られたが、左ウイングFW籾木結花(MF登録)と北川がタッチライン際で縦並びになったため、コロンビア代表としては守備がしやすい状況に。この場面で籾木は相手ゴールに背を向けており、北川からのパスを受けたとしてもサイド突破が難しい状況だった。

サイドバックが自陣後方タッチライン際でボールを受けるがゆえに、その後のパスコースが無くなる現象は池田太前監督のもとでも見られたもの。昨夏のパリ五輪でもこの現象が起き、なでしこジャパンのパスワークが停滞していたが、ニールセン新監督のもとでも同じ問題が生じていた。

特に前半は右サイドの攻撃配置の悪さも顕著で、サイドバック古賀とウイングFW清家貴子(MF登録)がタッチライン際で縦並びになってしまう場面がちらほら。また、長谷川唯と長野風花の両MFが味方センターバックとサイドバック間へ降り、パスの経由地点を担おうとしていたが、この2人ではなくコロンビア代表の最終ラインと中盤の間へ無理矢理ボールが送られたことで、相手の守備網に引っかかってしまうシーンもあった。

古賀塔子 写真:Getty Images

古賀が語った立ち位置の難しさ

試合後に報道陣の囲み取材に応じた古賀は、右サイドの攻撃配置に言及。俊足で縦方向への突破が持ち味の清家貴子とコンビを組むにあたり、自身の立ち位置を定めるのに苦労したことを明かしてくれた。

「(右サイドバックの)自分がサイドへ開きすぎると、貴子さんと縦関係になるというのを分かったうえで、自分が内側にポジションをとったのですが、それによって自分が相手に睨まれる(捕捉される)形になりました。貴子さんが内側に入って、自分がサイドに張ったほうが上手くいくかなという思いがあったなかで、後半はタイプの違う選手が入ってきました。理子さん(FW植木理子)が内側に立ち位置をとってくれたので、自由に攻撃できたと思います」