彼らは古代DNAを収集・解析し、その情報をもとに現存する動物(今回はオオカミ)に遺伝子編集を施して、できる限りダイアウルフの姿・特性に近づけようとしました。
そして2024年10月、このプロジェクトで誕生したオスの双子に「ロムルス」「レムス」、2カ月後に誕生したメスに「カリーシ」という名がつけられました。
この真っ白で可愛らしい赤ちゃんたちの誕生は、「絶滅したはずのダイアウルフが、ついに現代に復活した」と大きく報道されました。
しかし、当然ながら疑問が残ります。
本当にそれは「ダイアウルフの復活」と言えるのでしょうか?
それとも、ただの“ダイアウルフ風”の新種生物なのでしょうか?
次は、その科学的実態に迫ってみましょう。
「復活したダイアウルフ!?」が成長――彼らの主張は正しいのか

Colossal Biosciences社が採用した技術は、最先端の遺伝子編集技術をベースにしています。
13,000年前と72,000年前のダイアウルフの化石から得られた遺伝子配列をもとに、現存のオオカミのDNAのうち20箇所を改変しました。
例えば、遺伝子編集では毛色や体の大きさ、耳や頭蓋骨の形状に関係する複数の遺伝子が編集されました。
これにより、見た目や行動特性が古代のダイアウルフに似た個体が3匹誕生しています。
彼らは白い毛皮、大きな体・歯・顎、広い顎、筋肉質な脚、特徴的な遠吠えをもっています。

現在、それぞれの個体は健康で元気に成長した姿を見せています。
特に「ロムルス」は高い知能と社会性を示しているといいます。
この発表に対して、SNSでは「ジュラシック・パークが現実に!」「次はサーベルタイガーか?」などと盛り上がりを見せました。